【人事20年】人事の仕事5つの中身|50代が聞いていいこと

応接室でファイルを並べる手元。人事の仕事の中身を表すイメージ

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「人事って、普段は何をしているんですか」。社内でも社外でも、よく聞かれる質問です。

答えを先に書きます。人事の仕事は大きく5つに分かれます。採用のイメージが強いところですが、実際には採用をしない人事のほうが多いくらいです。

読者

採用と給与計算くらいしか思いつかないな。

サトエヴォ

そこが入口です。ただ、50代の方に関係が深いのは別の部分なんですよ。

このブログでは、再雇用や退職金、健康保険のことを人事の立場から書いています。その土台になる「人事の仕事そのもの」を整理しておきます。

この記事で分かること
  • 人事の仕事は大きく5つに分かれること
  • 会社の規模で人事の組織が変わること
  • 50代の社員が人事に聞かれることは何か
  • 人事に聞いていいことと、答えてもらえないこと
  • 20年やってきて感じていること
目次

人事の仕事が見えにくい理由

人事の仕事が見えにくい理由を解説するセクションのバナー画像

社内にいても、人事が何をしているかは意外と知られていません。理由がいくつかあります。

接点が限られている

多くの社員にとって、人事と話すのは入社のときと、年に一度の評価のときくらいです。

それ以外の仕事は社内から見えません。見えている部分が、人事の仕事のごく一部にすぎないのです。

会社の規模で組織が変わる

私はこれまで、大企業から中小企業まで何社かで働いてきました。規模や会社の考え方によって、人事の組織そのものが変わります。

人に関してこだわりを持っている会社ほど、独立した人事部を置いている印象です。

小さい会社では総務や社長が兼ねる

一方で規模の小さい会社では、総務課が人事を兼ねていたり、社長自身が担当していたりします。

つまり「人事部」という部署がない会社も珍しくありません。それでも人事の仕事そのものは、どの会社にも必ず存在します。

人事の仕事は大きく5つ

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具体的な中身は、次の5つに分けられます。どこを担当するかは、会社と配属で変わるところです。

分野主な中身
人事戦略どんな人を採り、どう育て、制度と賃金をどうするかを考える
採用・教育説明会、媒体の選定、面接、研修の企画と実施
人事評価・制度設計評価の運用、時代に合わなくなった制度の見直し
給与計算・労務管理給与の計算、勤怠の確認、労働組合との窓口
福利厚生制度の運営、確定拠出年金など退職金の窓口

採用と教育

人事と言われて最初に思い浮かぶ仕事です。説明会や媒体の選定、面接を進めていきます。

新卒で人事に配属された場合、多くの人がまず経験する仕事でしょう。一方の教育は、他の部署から異動してきた人が担当することが多い領域です。

給与計算と労務管理

毎月の給与を計算し、どれくらい働いたかを確認する仕事です。社会保険の手続きも、ここに含まれます。

労働組合がある会社では、交渉の窓口になることもあります。

人事評価と制度設計

評価の運用と、制度そのものを時代に合わせて直していく仕事です。

多くの部署の人と関わるため、社内の調整に時間がかかります。制度をひとつ変えるだけでも、影響する範囲が広いからです。

あまり知られていない2つ

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5つのうち、社員から見えにくいのがこの2つです。ただ、会社を大きく動かすのはここになります。

人事戦略

会社の経営目標をもとに、どんな人を採用するか、どう教育するか、制度と賃金をどうするかを考える仕事です。

経営者と直接話をし、事業がどうなっているかを知ったうえで組み立てます。難易度は高いのですが、いちばんやりがいがあると感じている仕事です。

福利厚生と退職金の窓口

会社にある福利厚生の中身を確認し、運営していく仕事です。

会社によっては、確定拠出年金など退職金の窓口にもなります。従業員と直接やりとりすることが多い領域でしょう。

制度は誰かが回している

社員から見ると、給与も評価も退職金も「そういうものがある」という状態に見えます。

その裏側には、制度を作り、運用し、法改正のたびに直している人がいます。それが人事の仕事です。

50代の社員から聞かれること

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年代によって、人事に来る質問は変わります。50代になると内容がはっきり変わります。

再雇用の条件

定年が近づくと、いちばん多くなるのがこの話です。面談で特によく聞かれるのは、賞与がどうなるかと、高年齢雇用継続給付のことでした。

退職金の受け取り方

一時金で受け取るか、年金で受け取るか。iDeCoを併せて考えると、順番によって税金が変わります。

健康保険の選択

定年前の説明で必ず出てくるのが健康保険です。手続きの期限が退職日の翌日から20日しかないので、知らないまま迎えると選べる道が減ります。

人事は味方でも敵でもない

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ここは誤解されやすいところなので、はっきり書いておきます。

会社の立場で制度を運用する

人事は会社の一部です。社員の代理人ではありません。

だからといって社員を困らせる側でもありません。決まっている制度を、決まったとおりに運用するのが仕事です。

どちらを選ぶべきとは言わない

健康保険をどうするか、退職金をどう受け取るか。こうした質問に、人事は「あなたはこちらにすべきです」とは答えません。

有利かどうかは、家族構成や他の収入で変わるからです。個人の事情に踏み込んだ判断は、会社の立場ではできません。

聞けば答えてもらえること

一方で、制度の中身については遠慮なく聞いて構いません。次のようなことです。

  • 自分の会社の再雇用の制度がどうなっているか
  • 退職金の計算がどういう仕組みか
  • 就業規則のどこに何が書いてあるか
  • 手続きの期限がいつか

人事はこれらを説明するためにいます。判断するのは自分ですが、材料を集める先としては使えるということです。

20年やってきて感じること

人事を20年続けて感じることを書くセクションのバナー画像

人事の仕事を長く続けてきて、始めた頃とは見え方が変わった部分があります。

人を見る仕事ではなく仕組みを回す仕事

人事という名前から、人を見極める仕事だと思われがちです。

実際には、仕組みを作って回すことのほうが大半を占めます。制度が整っていれば、誰が担当しても同じ結果になるのが良い状態だからです。

会社が変われば人事も変わる

転職を5回して、いまは6社目です。会社が変わるたびに、人事のやり方も変わりました。

同じ「人事」でも、求められる役割は会社ごとに違います。どこでも通用する型のようなものは、思ったより少ないところです。

制度を知っているかどうかで差がつく

社員の側から見て、いちばん大きいのはここだと感じています。

同じ会社にいても、制度を知っている人と知らない人では、受け取れるものや選べる道が変わってしまいます。

このブログで制度の話を書いているのは、その差を少しでも埋めたいからです。

よくある質問

人事の仕事のよくある質問をまとめたセクションのバナー画像

人事の仕事について、実際によく聞かれることをまとめました。

人事は社員の評価を決めているのですか

評価をつけるのは、多くの会社で直属の上司です。人事は制度を設計し、評価が公平に運用されるよう調整する立場になります。

人事に相談したことは上司に伝わりますか

内容によります。制度についての質問であれば、そのまま記録に残るものではありません。心配な場合は、聞く前にその点を確認しておくと安心です。

人事の経験は転職で有利になりますか

経験の中身によります。給与計算や社会保険のような実務は、どの会社にも必要とされます。一方で制度設計は、会社の規模や考え方で求められるものが変わるでしょう。

人事になるには資格が必要ですか

必須の資格はありません。社会保険労務士の資格を持っていると理解が深まりますが、資格がなくても人事の仕事はできます。

中小企業に人事部はないのですか

部署としてない会社は多いところです。総務が兼ねていたり、社長が直接担当していたりします。部署がなくても、人事の仕事そのものは必ず誰かがやっています。

定年前に人事へ何を聞けばいいですか

再雇用の条件、退職金の計算方法、健康保険の手続きと期限の3つです。どれも制度の話なので、答えてもらえます。

まとめ

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人事の仕事は、採用だけではありません。制度を作り、運用し、法改正のたびに直していく仕事です。

この記事のまとめ
  • 人事の仕事は人事戦略・採用教育・評価と制度設計・給与と労務・福利厚生の5つ
  • 会社の規模で組織が変わる。部署がない会社も珍しくない
  • 50代から増えるのは、再雇用・退職金・健康保険の3つ
  • 人事は制度を説明するが、どちらを選ぶべきかは言わない
  • 制度を知っているかどうかで、選べる道が変わる

このブログでは、その制度の中身を人事の立場から書いています。会社との付き合い方を考えるときの材料にしてもらえればと思います。

読者

聞いていいことが分かっただけでも違うね。

サトエヴォ

そうなんです。制度のことなら、遠慮せずに聞いてみてください。

会社に残っても辞めてもいい状態をつくる、という考え方の全体像はこちらです。

50代の社員から増えるもうひとつの相談が、役職定年です。

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