NASを買ったのに、使うたびにブラウザからログインしている。あるいはFinderの「サーバへ接続」を毎回開いている。それは最初に一度設定するだけで済む手間です。
Macには起動時に指定した場所へ自動で接続する仕組みがあり、設定してしまえばNASが外付けハードディスクと同じ感覚で使えるようになります。写真の書き出し先に指定したり、そのままファイルを開いて編集したりできます。
この記事では、SynologyのDS720+とmacOS 26 Tahoeを使って、実際に設定した手順をそのまま載せました。うまくつながらないときの原因と対処もまとめています。
- NASを自動マウントするメリット
- 設定前に確認する3つのポイント
- Finderからサーバへ接続する手順
- ログイン項目へ登録する手順
- つながらないときの原因と対処
NASって毎回ログインしないと使えないものなの。



一度設定すれば起動しただけでつながります。外付けHDDと同じ感覚になりますよ。
NASを自動マウントするメリット


自動マウントの効果は、手間が減ることだけではありません。常時つながっている状態になるので、ほかのアプリからNASを保存先として指定できるブラウザ経由では手が届かなかった使い方ができるようになります。という点が大きく変わります。
毎回のログイン操作が消える
いちばん分かりやすい効果がこれです。Macを起動すればFinderのサイドバーにNASが並んでいて、クリックすれば中身が開きます。
ブラウザを立ち上げてDSMにログインする手順が丸ごと不要になります。一日に何度も開く人ほど差が出るでしょう。
外付けHDDと同じ感覚で使える
マウントされたNASは、Finder上ではドライブとして扱われます。ドラッグ&ドロップでコピーでき、ファイルを直接開いて上書き保存もできます。
ブラウザ経由だと、ダウンロードして編集して再アップロードという往復が必要でした。その往復がなくなるのは想像以上に快適です。
保存先や書き出し先に指定できる
LightroomやPhotoshopの書き出し先、iMovieの保存先としてNASを直接選べるようになります。アプリのファイル選択ダイアログにNASが出てくるからです。
私の場合は写真の保管先をNASにしているので、撮影データの取り込みから書き出しまでMacの内蔵ストレージを経由せずに済んでいます。


古いビデオテープから取り込んだ映像も、ここに置くようにしました。


設定前に確認する3つ


手順に入る前に押さえておきたいことが3つあります。ここを飛ばすと、設定したのに再起動したらつながらないという事態になりがちです。とくに接続に使うプロトコルの選び方は、昔の記事を参考にすると間違えやすいところなので注意してください。
接続にはSMBを使う
MacからNASにつなぐプロトコルはSMBを選びます。Finderの「サーバへ接続」で入力するアドレスは smb:// で始まる形です。
WindowsとMacが混在した環境でも、SMBならどちらからも同じ共有フォルダを扱えます。迷ったらSMBで問題ありません。
AFPはもう選べない
かつてはMacだけの環境ならAFPという選択肢がありました。しかしmacOS 11 Big Sur以降、AppleはAFPサーバのサポートを終了しています、いまAFPを選ぶ理由はありません。
Synologyも公式に、セキュリティ上の理由から将来のDSMでAFPサービスを終了すると案内しています。古い解説記事にはafp://で接続する方法が残っていますが、そちらは参考にしないでください。
| 項目 | SMB | AFP |
|---|---|---|
| Appleのサポート | 継続 | Big Surで終了 |
| Synologyの方針 | 推奨 | 将来のDSMで終了予定 |
| Windowsとの併用 | できる | できない |
| Time Machine | 対応 | 非推奨 |
NASのIPアドレスを固定する
自動マウントはIPアドレスを目印にして接続します。ルーターが再起動してNASのアドレスが変わると、設定したはずの自動マウントが動かなくなります。
ルーターのDHCP予約機能でNASのアドレスを固定しておくか、NAS側で静的IPを設定しておきましょう。ここを先にやっておくと、あとで原因不明のトラブルに悩まずに済みます。
Finderでサーバへ接続


自動マウントの前に、まず手動で一度つなぎます。この一度目の接続でパスワードをキーチェーンに保存させることが、次の自動化がうまくいくかどうかの分かれ目だからです。順番に進めていきましょう。
移動メニューからサーバへ接続
Finderを開き、メニューバーの「移動」から「サーバへ接続」を選びます。キーボードショートカットは command + K です。


smbに続けてIPアドレスを入力
接続先の欄に smb:// と入力し、続けてNASのIPアドレスを書きます。192.168.1.10 がNASのアドレスなら smb://192.168.1.10 という形です。
入力したら「接続」を押します。左下の「+」を押しておくと「よく使うサーバ」に登録され、次回から選ぶだけで楽です。


パスワードをキーチェーンに保存
ユーザ名とパスワードを聞かれるので、NASに登録したアカウントを入力します。このとき「このパスワードをキーチェーンに保存」に必ずチェックを入れてください。ここにチェックを入れ忘れると、起動のたびにパスワードを聞かれることになります。
接続に成功すると共有フォルダの一覧が出るはずです。自動マウントしたいフォルダを選んでOKを押せば、Finderのサイドバーに表示されます。


ログイン項目へ登録


ここからが本題です。Macの起動時に自動で接続させるため、さきほどマウントしたNASをログイン項目に登録します。macOS Ventura以降とMonterey以前で画面がまったく違うので、お使いのバージョンに合わせて読み進めてください。
macOS Ventura以降の手順
Appleメニューから「システム設定」を開き、サイドバーの「一般」を選びます。その中の「ログイン項目と機能拡張」をクリックしてください。macOS VenturaとSonomaでは「ログイン項目」という名前です。
「ログイン時に開く」の一覧の下にある「+」を押すと、選択画面が出ます。サイドバーからマウント中のNASを選び、共有フォルダを指定して「開く」を押せば登録完了です。
macOS Monterey以前の手順
「システム環境設定」から「ユーザとグループ」を開きます。自分のユーザ名を選んで「ログイン項目」タブに切り替えてください。
一覧の下の「+」から、同じようにマウント中のNASを指定します。なお、この世代のmacOSはすでにセキュリティ更新の対象外です。可能なら本体の買い替えも含めて更新を検討したほうがよいでしょう。
再起動して動作を確認
登録できたらMacを再起動します。デスクトップが表示されてしばらくすると、Finderのサイドバーに自動でNASが現れるはずです。
ここで表示されない場合は原因がいくつか考えられます。あとの章にまとめたので、そちらを確認してください。
Finderに常時表示


自動マウント自体はこれで完成ですが、Finderやデスクトップに出ていないと接続されている実感がわきません。表示の設定はFinder側で別に用意されているので、あわせて設定しておくと使い勝手が上がります。
サイドバーに接続中のサーバを表示
Finderを開いた状態でメニューバーの「Finder」から「設定」を選びます。「サイドバー」タブの中にある「接続中のサーバ」にチェックを入れてください。
これでサイドバーの「場所」欄にNASが常駐する状態です。
デスクトップにアイコンを出す
同じFinder設定の「一般」タブに「デスクトップに表示する項目」という欄があります。ここの「接続中のサーバ」にチェックを入れると、外付けHDDと同じようにデスクトップへアイコンが出るはずです。
接続されているかどうかがひと目で分かるので、私はこちらも入れています。
よく使うフォルダをエイリアス化
共有フォルダの奥深くにあるフォルダを毎日開くなら、エイリアスを作ってしまうのが早いです。対象のフォルダを右クリックして「エイリアスを作成」を選び、できたファイルをデスクトップやサイドバーに置いておきます。
マウントさえされていれば、エイリアスから一発でたどり着けます。
つながらないときの対処


設定したのに自動でつながらない。このパターンには決まった原因がいくつかあります。大半はキーチェーンかIPアドレスのどちらかので、上から順に確かめていけば、たいていは解決するはずです。
再起動してもマウントされない
まずログイン項目に登録されているか確認します。エイリアスを登録してしまうと、マウントされていない状態では参照先が見つからず失敗します。登録するのはマウント中のサーバ本体です。
IPアドレスが変わっていないかも確認してください。ルーターを再起動したあとに起きやすい症状です。
毎回パスワードを聞かれる
キーチェーンへの保存ができていません。一度Finderからサーバへ接続し直し、「このパスワードをキーチェーンに保存」にチェックを入れてつなぎ直してください。
NAS側でパスワードを変更した場合も同じ症状が出ます。その場合はキーチェーンアクセスを開き、古い認証情報を削除してから接続し直してください。
無線だとマウントに失敗する
Wi-Fiの接続が完了する前にマウント処理が走ると、接続先が見つからず失敗します。起動直後だけ失敗して、あとから手動でつなぐと成功する場合はこれが原因です。
確実なのは有線LANでつなぐことです。無線のまま使いたい場合は、少し待ってから接続するようAppleスクリプトを組む方法もあります。
スリープ復帰後に切れている
長時間スリープすると接続が切れることがあります。NAS側のハードディスクハイバネーション設定が効いていると、復帰直後の応答が間に合わずに切断されがちです。
DSMのコントロールパネルから、ハードディスクの休止までの時間を長めにするか無効にすると改善します。
そもそも接続自体ができない
DSMのコントロールパネルで「ファイルサービス」を開き、SMBが有効になっているか確認します。有効になっていなければチェックを入れて適用してください。
Macのファイアウォールやセキュリティソフトが通信を止めている場合もあります。一時的に切って試すと切り分けができます。


よくある質問


設定の前後でつまずきやすい点をまとめました。とくにプロトコルの選び方とTime Machineの扱いは、古い情報が検索結果に残っている分野なので確認しておいてください。
SMBとAFPはどちらを選ぶべきか
SMBを選んでください。AFPはmacOS 11 Big Sur以降Appleがサポートを終了しており、Synologyも終了予定を公表しています。いま新しく設定するならSMB一択です。
IPアドレスは固定しないといけないか
固定を強くおすすめします。固定しないとルーターの再起動などでアドレスが変わり、自動マウントが動かなくなるからです。ルーターのDHCP予約を使えば、NAS側の設定を変えずに固定できます。
Time Machineも自動でできるか
こちらも可能です。ただし自動マウントとは別の設定になります。NAS側でTime Machine用の共有フォルダを用意し、Mac側のTime Machine設定でそのフォルダを指定してください。


Synology以外のNASでも同じか
基本的に同じです。BUFFALOやQNAPでも、SMBで接続してログイン項目に登録するという流れは変わりません。異なるのは管理画面の名称や、共有フォルダを作る場所くらいです。
macOS 27でも同じ手順か
大きくは変わらない見込みです。ログイン項目の場所はVentura以降おおむね固定されています。実機で確認できしだい、この記事に追記する予定です。
複数の共有フォルダをまとめてマウントできるか
問題なくできます。ログイン項目にはフォルダを複数登録できるので、必要なぶんだけ「+」から追加してください。登録した数だけ起動時にマウントされます。
自動マウントをやめたいときは
ログイン項目の一覧から対象を選び、「−」を押せば解除できます。キーチェーンに残った認証情報が気になる場合は、キーチェーンアクセスから削除しておきましょう。
まとめ


MacでNASを自動マウントする手順を見てきました。やることは、一度手動でつないでキーチェーンに保存し、ログイン項目に登録するだけです。設定は一度きりで、あとは何もしなくていいので、週末の30分で片付けてしまうことをおすすめします。
- 接続はSMBを使う
- AFPはBig Surで終了
- NASのIPアドレスは固定
- キーチェーンへの保存が要
- ログイン項目へ登録して自動化
- 失敗の大半はIPかキーチェーン
NASは導入したあとの使い勝手で評価が変わります。ブラウザ越しに触っているうちは「置いてあるだけの箱」でしたが、Finderに常時ぶら下がるようになってから、私の中での位置づけが完全に変わりました。
まだNASを導入していない方は、何ができるものなのかをこちらの記事にまとめています。あわせて読んでみてください。


今回使っているのはSynologyのDS720+です。2ベイで家庭用としては十分な性能があり、写真とドキュメントの保管先として長く使えています。
