【人事20年】転職する気がない50代のエージェント登録

電車の中でスマートフォンを見る会社員。転職エージェントに登録する様子

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いまの会社を辞めるつもりはない。それでも転職エージェントに登録しておく意味はあります。

読者

転職する気がないのに登録したら、迷惑じゃないの?

サトエヴォ

私もそう思っていました。ただ、実際に登録したまま何年も置いていた時期があります。

私は転職を5回して、いまが6社目です。そして最後の転職は、自分から動いたものではありません。登録したままにしていたところへスカウトが届いて、そこから話が進みました。

当時、仕事そのものは順調でした。ただ残業が多く、経営者との相性も合わない。そういう状態のときに外から声がかかったので、比べる相手ができたわけです。この記事では、転職する気がない人が登録しておく意味と、人事の仕事をしてきた立場から見えるエージェントの動き方を書いていきます。

この記事で分かること
  • 転職する気がないのに登録しておく意味
  • スカウトが届いたあとの動き方と断り方
  • エージェントが企業へ人を推すときの事情
  • 50代の登録で反応が変わるところ
  • 登録して良かったことと、面倒だったこと
  • 向いている人と、別の方法のほうがいい人
目次

転職する気がない人が登録する理由

転職する気がない人が転職エージェントに登録する理由を解説するセクションのバナー画像

まず、なぜ動く気がないのに登録しておくのか。私の場合は結果として、それが最後の転職につながりました。

6社目はスカウトから始まった

登録していたのは、すぐ転職するためではありませんでした。どんな求人があるのかを眺めておこうという程度です。

そこへスカウトが届きました。仕事は順調だったので、最初は動くつもりがなかったのを覚えています。ただ残業の多さと経営者との相性という、自分のなかで引っかかっていたものがあった。外から条件を示されて初めて、比べる相手ができたわけです。

読者

比べる相手がいないと、判断しようがないもんね。

サトエヴォ

そうなんです。今の職場しか知らないと、良いのか悪いのかも分かりません。

市場からの評価が分かる

登録しておくと、自分の経歴がどう見られているかが分かります。どんな業種から声がかかるか、どの程度の条件が提示されるか。これは社内にいるだけでは手に入らない情報です。

評価が思ったより高いこともあれば、低いこともあるでしょう。どちらにしても、知っておいたほうが打つ手を考えられます。

辞めなくても選択肢は持てる

登録することと、転職することは別です。選択肢を持っている状態と、持っていない状態では同じ職場にいても気持ちの持ち方が変わってきます。

いつでも動けると思えるなら、いまの仕事にも落ち着いて向き合えるでしょう。ここは会社に残ると決めている人にも効く部分だと思います。

スカウトと推薦の実際

スカウトが届いたあとの動き方と断り方を解説するセクションのバナー画像

登録したあと、実際どう動けばいいのか。断り方には少しコツがあります。

興味がなければ返信しない

届いたスカウトすべてに返事をする必要はありません。興味がなければ、私は返信していませんでした。

登録した以上すべてに応じなければ、と考える必要はないのです。相手も数を送っています。

断るときは理由を伝える

ただし、少しでも見て「これは違う」と判断したものについては、断った理由を伝えたほうが得です。勤務地なのか、職種なのか、条件なのか。

理由を返しておくと、次から紹介されるものが自分の条件に近づいていきます。黙って流しているだけだと、いつまでもずれたままです。手間は数行分しかかかりません。

読者

断るのが次への情報提供になるんだ。

サトエヴォ

はい。ここをやるかどうかで、届くものの質が変わってきます。

要件に合わなくても推してくることがある

人事の仕事のなかで、人材を紹介してもらう側にもいました。そちら側から見て分かるのは、エージェントは要件に少し合っていなくても推薦してくるということです。

悪意があるわけではありません。可能性があるなら出してみよう、という動き方をするからです。求職者の側から見ると、これは「合っていない求人が届く」という形で現れます。

絶対に外せない基準を伝える

ずれた紹介が続くなら、条件の優先順位を伝えておくのが早道です。希望をすべて並べるのではなく、これだけは外せないという線を1つか2つ示す。

通勤できる範囲、譲れない年収、勤務の形。人によって違うでしょうが、境界線がはっきりしているほど紹介の精度は上がります。

50代で登録したときの違い

50代でエージェント登録したときの反応の違いを書くセクションのバナー画像

若い頃と同じ感覚でいると、戸惑うかもしれません。求められるものが変わります。

即戦力として見られる

50代への声のかかり方は、若い頃とはっきり違いました。育てる前提ではなく、入ってすぐ動けるかを見られます。

裏を返せば、経験が合えば強い立場になるということでもあります。ポテンシャルで競う必要がないからです。

専門性を問われる

何ができる人かが、若い頃よりはっきり問われます。幅広く何でもやってきた、という説明は通りにくいでしょう。

自分の専門がどこにあるのかを言葉にしておく。これは書類を作るときも同じで、具体的にできることが書かれていないと先に進みません。

管理能力の見られ方

もう1つ変わるのが、人を動かせるかという観点です。50代には管理の経験を求める求人が増えます。

ただ役職名だけでは伝わらないので、何人を見て、どんな判断をしてきたかを言えるようにしておきたいところです。

良かった点と困った点

エージェント登録の良かった点と困った点をまとめたセクションのバナー画像

登録して助かったことと、煩わしかったこと。両方書いておきます。

書類の添削は役に立つ

職務経歴書を見てもらったことがあります。これは役に立ちました。

自分では当たり前だと思って書き流していたところが、外から見ると強みだったりする。新しい視点で書き直されて返ってくることもありました。自分一人で書いていると、どうしても見え方が固まってしまいます。

担当者によってはしつこい

困ったのはここです。担当者によっては、連絡がしつこいことがあります。

背景を知っておくと納得しやすいでしょう。エージェントは転職が成立することで収益が生まれる仕組みで動いています。だから前に進めようとするのは自然なことです。ただ、こちらのペースと合わないなら合わせる必要はありません。

断り方を決めておく

あらかじめ自分の線を決めておくと楽になります。いまは動く気がないこと、条件が合えば考えること。これを最初に伝えておけば、無理に急かされる場面は減ります。

それでも合わないと感じたら、担当者の変更を頼むか、別のサービスに移ってもかまいません。登録は義務ではないのですから。

向いている人と向かない人

エージェント登録が向いている人と向かない人を整理したセクションのバナー画像

誰にでも勧められるわけではありません。ここは正直に書きます。

専門性やスキルがある人

ある程度の専門性やスキルがある人には勧めます。エージェントは企業の要件に当てはめて人を探す仕組みなので、当てはめられる軸を持っている人ほど機能するのです。

経理、人事、法務、技術、特定の業界の実務。呼び名は何でも構いません。「この仕事なら任せられる」と言える範囲があるかどうかです。

専門性が薄いと感じる人

逆に、自分には専門性があまりないと感じるのであれば、エージェント経由は向かないかもしれません。要件に当てはめにくい人は、紹介そのものが届きにくいからです。

その場合は知り合いのつてを使うほうが現実的だと思います。人柄や仕事ぶりを知っている人からの紹介なら、書類では伝わらないところを見てもらえます。

読者

つてのほうがいい場合もあるんだね。

サトエヴォ

あります。書類の要件で勝負しにくいなら、そちらのほうが早いです。

迷ったら両方でいい

どちらか一方に決める必要もありません。登録しておいて、同時に周囲にも声をかけておく。選択肢は多いほうが落ち着いて選べます。

エージェント登録のよくある質問

転職エージェント登録のよくある質問をまとめたセクションのバナー画像

登録をためらう理由として、よく聞かれることを並べます。

登録が今の会社に知られないか

いちばん心配されるところでしょう。職業紹介事業者が求職者の個人情報をどう扱うかは、職業安定法の第5条の5で定められています。

…求職者等の個人情報を収集し、保管し、又は使用するに当たつては、その業務の目的の達成に必要な範囲内で、厚生労働省令で定めるところにより、当該目的を明らかにして求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。

同じ条の第2項では、個人情報を適正に管理するための措置を講じなければならないとも定められています。つまり収集した目的の範囲を超えて使うことは法律で制限されているわけです。気になる場合は、現在の勤務先へ情報を出さない設定があるかを登録時に確認しておくと安心でしょう。

出典:職業安定法 第5条の5(求職者等の個人情報の取扱い)/e-Gov法令検索

転職する気がないのに登録して失礼ではないか

気にしなくて大丈夫です。すぐ動く人ばかりを相手にしているわけではありません。いま動かない人も、条件が合えば動く相手として見られています。

50代でも紹介は届くのか

届きます。ただし若い頃とは性質が別物です。即戦力と専門性、管理の経験が軸になるので、そこに当てはまる経歴があるかどうかで数は変わってくるでしょう。

複数のサービスに登録していいか

問題ありません。サービスによって得意な業種や職種が違うので、複数持っておくほうが届く情報の幅が広がります。

ずっと断り続けても大丈夫か

大丈夫です。ただ断る理由を添えておくと、紹介の精度が上がっていきます。何も返さないまま放置するより、そのほうがお互いにとって無駄が少なくなるはずです。

まとめ

転職エージェント登録の結論を振り返るまとめセクションのバナー画像

転職する気がない状態での登録について整理します。

この記事の要点
  • 私の6社目は、登録したままのところへ届いたスカウトから始まった
  • 外から条件を示されて初めて、いまの職場と比べる相手ができる
  • 興味がなければ返信しなくてよい。ただし断る理由は伝えたほうが得
  • エージェントは要件に少し合わなくても推してくる。外せない線を伝える
  • 50代は即戦力・専門性・管理の経験で見られる
  • 書類の添削は役に立つ。一方で担当者によっては連絡がしつこい
  • 専門性がある人には勧める。薄いと感じるならつてを使うほうが現実的

登録することと辞めることは別です。大事なのは選べる状態をつくっておくことだと思っています。会社に残ると決めている人ほど、外の物差しを1つ持っておく価値があるでしょう。

読者

辞めるために登録するんじゃないんだね。

サトエヴォ

違います。比べられる状態をつくっておくためです。

書類の中身と、辞めてもいい状態のつくり方は別の記事に書いています。

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