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「今さらNISAを始めても、もう遅いのではないか。」50代になると、退職までの時間を意識して、そう感じる方は多いはずです。
私は50代の会社員で、投資を始めたのは30代のころでした。今は楽天証券のNISAで全世界株式のインデックスファンドを積み立て、妻もSBI証券のNISAで米国株式のインデックスファンドを積み立てています。
結論から言うと、50代からでもNISAは十分に使えます。2024年に始まった新NISAは非課税で持てる期間に期限がなく、65歳まででも15年あるからです。この記事では、50代がNISAを始めるときの考え方と、我が家での使い方、積立額の決め方をまとめます。
- 50代からでも遅くない理由
- 新NISAの基本と1人1口座のルール
- 我が家のNISAの使い方
- 毎月の積立額の決め方
- 50代が気をつけたい落とし穴
65歳まで15年しかないのに、今から始めても意味あるのかな。



比べる相手は若い人ではなく、始めなかった場合の自分です。私も30代から続けて、今も積み立てています。
50代からのNISAが遅くない理由


50代がNISAをためらう理由は、運用できる期間の短さです。ただ、新しいNISAは制度が変わり、期間の短さは以前ほど不利ではなくなりました。理由を3つに分けて説明します。
非課税で持てる期間に期限がない
2024年から始まった新NISAでは、非課税で保有できる期間が無期限になりました。以前のつみたてNISAは20年、一般NISAは5年という期限がありました。
出典:金融庁「NISAを知る」
60歳や65歳で運用をやめる必要はありません。必要になったときに、必要な分だけ取り崩していけばよいのです。
65歳まででも15年ある
50歳から65歳まで働くとすれば、積み立てられる期間は15年あります。仮に毎月5万円を15年間積み立てると、元本は900万円です。
比べる相手を若い人にすると、どうしても短く感じます。比べるべきなのは、始めなかった場合の自分です。
利益が非課税になる意味
通常、投資で得た利益にはおよそ20%の税金がかかります。NISAの口座で運用した利益には、この税金がかかりません。
50代は、まとまった額を投資に回せる人も増える年代です。子どもの教育費が終わったあとなら、その分を積立に回すこともできるでしょう。
新NISAの基本とルール


始める前に、制度の形だけは押さえておきたいところです。特に大事なのは、NISA口座は1人につき1口座しか持てないという点です。
つみたて投資枠と成長投資枠
新NISAには2つの枠があり、併用できます。年間で投資できる金額は次のとおりです。
| 枠 | 年間の投資枠 | 主な対象 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 | 長期の積立に向いた投資信託 |
| 成長投資枠 | 240万円 | 上場株式や投資信託など |
| 合計 | 360万円 | - |
出典:金融庁「NISAを知る」
2つを合わせると、1年で360万円まで投資できます。
生涯で1,800万円まで
非課税で保有できる金額には上限があり、生涯で1,800万円までです。このうち成長投資枠で使えるのは1,200万円までとされています。
売却すれば、その分の枠は翌年以降にまた使えます。
NISA口座は1人1口座
NISA口座は、1人につき1口座しか開けません。金融機関は年単位で変更できますが、同じ年に2つの証券会社でNISAを使うことはできない決まりです。
我が家のように夫婦それぞれが口座を持つことはできます。世帯で考えると、使える非課税の枠は2人分です。
我が家のNISAの使い方


ここからは、実際にやっていることを書きます。金額の総額や評価額は書きませんが、夫婦それぞれのNISAで、インデックスファンドを積み立てる形に落ち着きました。
私は楽天証券で全世界株式
私は楽天証券のNISAで、全世界株式のインデックスファンド(オルカン)を毎月15万円積み立てています。世界中の株式にまとめて投資できるので、投資先を自分で選ぶ手間がかかりません。
信託報酬などの運用コストは見直されることがあります。買う前に、目論見書で最新の内容を確かめてください。
NISAをこれから始めるなら、ネット証券で口座を開くのが手軽です。楽天証券なら、楽天ポイントを貯めたり投資に使ったりもできます。
妻はSBI証券で米国株式
妻はSBI証券のNISAで、米国株式のインデックスファンド(S&P500)を毎月10万円積み立てています。夫婦で同じ商品にそろえてはいません。
どちらが正解ということはなく、どちらも世界や米国の株式全体に分散する形です。夫婦で分けたことで、結果的に投資先の偏りも小さくなりました。
課税口座では個別株と高配当株
NISAとは別に、課税口座では個別株や高配当株も持っています。配当を受け取れるのは、給料以外の収入をつくるうえで心強い部分です。
ただし、個別株は値動きが大きく、配当が減ることもあります。あくまで中心はインデックスファンドの積立で、個別株は余裕資金の範囲にとどめています。


50代の積立額の決め方


毎月いくら積み立てるかは、多くの人が迷う点でしょう。正解はありませんが、生活防衛資金を確保したうえで、使う時期から逆算するのがおすすめです。
まず少額から始めたいという方は、別の記事もあわせてご覧ください。


生活防衛資金を先に確保する
投資を始める前に、生活費の半年から1年分は現金で持っておきましょう。病気や急な出費があったときに、値下がりした時期に売らずに済みます。
いくら必要かは、公的な給付が出るまでの空白から逆算できます。考え方は別の記事にまとめました。


使う時期から逆算する
50代は、使う時期が読みやすい年代です。教育費がいつ終わるか、退職金がいつ入るか、年金をいつから受け取るかを並べてみてください。
5年以内に使う予定のお金は、投資に回さないほうが無難でしょう。
その教育費がいくらかかるのかは、公的な調査をもとに別の記事で整理しました。


毎月の積立額の試算
15年間積み立てた場合の試算です。運用しながら増える前提の単純計算で、実際の結果を保証するものではありません。
| 毎月の積立額 | 元本(15年) | 年3%で運用 | 年5%で運用 |
|---|---|---|---|
| 3万円 | 540万円 | 約681万円 | 約802万円 |
| 5万円 | 900万円 | 約1,135万円 | 約1,336万円 |
| 10万円 | 1,800万円 | 約2,270万円 | 約2,673万円 |
毎月同額を積み立て、利益がそのまま再投資されると仮定した試算です。手数料や税金は考えていません。相場によっては元本を下回ることもあります。
毎月10万円を15年続けると、元本だけで生涯の非課税枠1,800万円に届く計算です。枠を意識するなら、ここが1つの目安でしょう。
積立を25年続けた記録は、別の記事にまとめました。


50代がNISAで気をつけること


50代の投資は、20代や30代とは事情が違います。減らしてしまうと、取り返す時間が限られます。増やすことより、減らしすぎないことを優先したいところです。
一度に全額を投じない
まとまったお金があると、一度に投資したくなるものです。ただ、直後に相場が下がると、精神的に持ちこたえるのが難しくなります。
毎月一定額を買う積立なら、価格が高いときは少なく、安いときは多く買えます。
個別株は余裕資金の範囲で
NISAでは個別株も買えますが、最初から手を出す必要はありません。まずはインデックスファンドで相場の動きに慣れるのが先です。
慣れてきたら、なくなっても生活に影響しない金額で試すくらいがちょうどよいでしょう。
相場が下がってもやめない
私が決めているのは、積立額を減らしても止めないことです。相場が下がった局面でこそ、同じ金額で多くの口数を買えます。
取り崩し方も考えておく
50代は、増やす時期と使う時期の両方を考える年代です。退職後に毎月いくら取り崩すのかを決めておくと、あわてて全部売らずに済みます。


NISAの外で使える選択肢


NISAは万能ではありません。値動きしては困るお金や、数年以内に使うと決まっているお金は、そもそも投資信託に向きません。そういうお金の置き場として使える制度を2つ挙げます。
元本割れしない個人向け国債
個人向け国債は、国が個人向けに発行している債券です。銀行や証券会社の窓口で買えます。
- 最低1万円から1万円単位で購入できる
- 発行は毎月あるので、思い立ったときに始められる
- 利子は半年ごとに年2回受け取る
いちばんの特徴は元本の扱いです。財務省は償還金額を「額面金額100円につき100円」と定めていて、中途換金のときも同じ金額だと明記しています。値動きで元本が減る商品ではありません。
預金保険制度の対象ではありませんが、それは元本が減るという意味ではありません。発行しているのが国なので、預金保険という仕組みの外にあるというだけです。
タイプは3つあり、性格が違います。
| タイプ | 満期 | 金利 | 適用利率の決まり方 |
|---|---|---|---|
| 変動10年 | 10年 | 変動金利 | 基準金利×0.66 |
| 固定5年 | 5年 | 固定金利 | 基準金利−0.05% |
| 固定3年 | 3年 | 固定金利 | 基準金利−0.03% |
どのタイプにも年0.05%の下限があります。金利が上がる局面なら変動10年、使う時期が決まっているなら固定5年や固定3年を選んでください。
注意したいのは中途換金です。発行後1年が経てばいつでも換金できますが、直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた額が差し引かれます。受け取った利子を一部返す形になるだけで、元本そのものは戻る仕組みです。
災害救助法の適用対象となった大規模な自然災害で被害を受けた場合と、保有者本人が亡くなられた場合は、1年を待たずに中途換金できます。
個人年金保険と保険料控除
個人年金保険は、保険料を払い込んで、60歳以降に年金として受け取る商品です。投資というより、税の優遇がついた積立だと考えたほうが実態に近いと思います。
個人年金保険料控除を受けるには、契約が3つの要件を満たす必要があります。
- 年金の受取人が、保険料を払い込む本人またはその配偶者であること
- 保険料等を、年金の支払を受けるまでに10年以上の期間にわたって定期に支払う契約であること
- 年金の支払が、受取人の年齢が原則として満60歳になってから支払われる10年以上の定期または終身の年金であること
50代にとって効いてくるのが2番目です。払込期間が10年以上でないと控除の対象になりません。55歳で始めれば65歳まで、58歳なら68歳まで払い続ける計算になります。定年後も保険料を払えるかどうかを先に考えてください。
控除の額も確認しておきます。新しい契約の場合、所得税の控除額は年間の支払保険料が8万円を超えると一律4万円です。一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3つの区分にそれぞれ4万円の枠があり、合計が12万円を超える場合の生命保険料控除額は12万円になります。
| 年間の支払保険料 | 所得税の控除額 |
|---|---|
| 2万円以下 | 支払保険料等の全額 |
| 2万円超4万円以下 | 支払保険料等×2分の1+1万円 |
| 4万円超8万円以下 | 支払保険料等×4分の1+2万円 |
| 8万円超 | 一律4万円 |
所得税率20%の人なら、控除4万円で軽くなる所得税は年8,000円ほどです。大きな数字ではありません。契約する前に、途中でやめたときの解約返戻金がどう動くかを必ず見せてもらってください。
預金と投資の間を埋める順番
ここまで出てきたものを、使う時期の順に並べ直します。
| 使う時期 | 置き場所 | 考え方 |
|---|---|---|
| いつ使うか分からない | 銀行の普通預金 | 生活費の半年分 |
| 1年から5年以内 | 個人向け国債・定期預金・財形住宅 | 値動きさせない |
| 10年以上先 | NISA・iDeCo | 非課税の枠を使い切る |
| 会社の制度 | 社内預金・持株会 | あわせて金融資産の1割まで |
個人年金保険は、60歳以降に受け取ると決めたお金の置き場です。10年以上払い続けられる見通しが立つなら選択肢に入りますが、先に埋めるのはNISAとiDeCoの枠だと考えています。運用益が非課税になる枠のほうが、長い目で見れば効くはずです。
順番さえ決まれば、迷わなくて済むね。



そうです。商品を先に選ぶから迷うんです。使う時期から決めてください。
会社を通じて使える制度は、この表の一段下にあります。仕組みと注意点はそれぞれの記事にまとめました。




50代のNISAのよくある質問


最後に、50代の方から出やすい疑問をまとめます。投資は元本が保証されたものではないため、余裕資金で行うのが前提です。
50代から始めても間に合うか
間に合います。非課税で持てる期間に期限はなく、65歳や70歳を過ぎても運用を続けられるからです。
夫婦それぞれで口座を持てるか
持てます。NISA口座は1人1口座なので、夫婦ならそれぞれの枠を使えるのです。我が家も私と妻でそれぞれ積み立てています。
楽天証券とSBI証券はどちらがいいか
どちらでも大きな差はありません。私は楽天証券、妻はSBI証券を使っています。楽天ポイントを使っているなら楽天証券が選びやすいでしょう。
オルカンとS&P500はどちらを選ぶか
全世界に分散したいならオルカン、米国の成長に期待するならS&P500です。我が家は私がオルカン、妻がS&P500という形になりました。
iDeCoとどちらを優先するか
引き出す時期が違います。iDeCoは原則60歳まで引き出せない代わりに、掛金が所得控除になります。いつ使うお金かで決めるのがよいでしょう。
勤め先に企業型DCがある方は、そちらの残高も一度見ておいてください。マッチング拠出をしているとiDeCoには加入できません。


iDeCoは受け取るときの順番でも税金が変わります。退職金との関係は、こちらの記事にまとめました。


会社の持株会はどうするか
持株会は勤め先1社に偏るため、私はNISAを優先しています。持株会との使い分けは、こちらの記事で書いています。


まとめ


50代からのNISAは、遅すぎることはありません。非課税の期間に期限がなくなり、長く持ち続けられるようになったからです。
- 非課税で持てる期間は無期限
- 年間360万円・生涯1,800万円まで
- NISA口座は1人1口座で夫婦なら2人分
- 私は楽天証券、妻はSBI証券で積立
- 生活防衛資金を確保してから始める
- 増やすより減らしすぎないことを優先
大切なのは、無理のない金額で早く始めて、続けることです。まだ口座がない方は、証券口座の開設から始めてみてください。
NISAの口座をまだ持っていない方は、まず口座開設から始めてみてください。キャンペーンの条件はリンク先で確認できます。
※キャンペーンの内容は変更される場合があります。最新の条件は公式サイトでご確認ください。
お金の知識をどこから身につけるかで迷ったら、こちらの記事も参考にしてください。


子どものNISAについては、2027年1月から0〜17歳を対象にした枠が始まります。口座開設の受付はすでに始まっています。


