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「SDカードって、どれを買っても同じではないの」。カメラを買ったばかりのころ、私はそう思っていました。
先に結論を書きます。見るところは容量と速度の2つだけです。そして速度は、自分のカメラが対応している規格を超えても意味がありません。高いカードを買えば速くなる、という話ではないのです。
お店に行くと種類が多すぎて、値段の差が何なのか分からないんだよね。



カードの裏の端子を見れば、半分は判断がつきます。1列か2列かで規格が変わるんです。
この記事では、α6000から始めてα6400、いまはα7C IIを使ってきた経験をもとに、カメラのSDカードの選び方をまとめました。規格の数字はSD Associationの公表値をそのまま使っています。
- 容量をどこまで積めばよいかの目安
- UHS-IとUHS-IIの違いと、見分け方
- V30・V60・V90という表記の意味
- 手持ちのカメラに合わせた選び分け
- 実際に使っている2枚と、その理由
カードを選ぶ前に決める3つのこと


売り場で迷う原因は、選択肢が多いことではありません。自分の条件を決めずに棚の前に立っているからです。先に3つだけ決めておけば、候補は一気に絞れます。
使っているカメラが対応する規格
もっとも大事なのがここです。カメラが対応していない規格のカードを買っても、速度は上がりません。たとえばα6400はUHS-Iまでの対応なので、UHS-IIのカードを挿しても、動作はUHS-I相当に落ちます。
自分のカメラがどこまで対応しているかは、メーカーの仕様ページに必ず書かれています。買う前に一度だけ確認しておけば、あとは迷いません。
撮るものが写真か動画か
写真だけなら、求められる速度はそれほど高くないです。問題は動画と連写になります。動画は一定の速さで書き込み続ける必要があるため、速度が足りないと録画が途中で止まってしまいます。
- 写真がメイン|速度より容量と信頼性を優先
- 4K動画を撮る|書き込み速度の下限を必ず確認
- 連写を多用する|カメラ内のバッファが空く速さに影響
1枚に入れる量の考え方
容量は大きいほど安心に見えますが、1枚に全部を預けるのは危険でもあるでしょう。カードは消耗品だからです。
私は大容量を1枚だけ持つより、中くらいの容量を2枚用意する形にしています。片方が壊れても、撮影そのものは続けられるからでしょう。
容量の決め方


容量は使い方で決まります。数字だけ見ても判断できないため、撮る枚数に置き換えて考えると分かりやすいです。
写真だけなら64GBでも足りる
一般的なミラーレスのRAWは1枚あたり25MBから50MBほどになります。64GBなら、RAWとJPEGを同時に記録しても1,000枚以上は入る計算です。
旅行の1日分としては十分な量でしょう。写真中心なら、容量より速度と信頼性にお金をかけたほうが後悔しません。
動画を撮るなら128GB以上
4K動画は、写真とは桁が違います。ビットレートにもよりますが、1分で1GB近く使うこともあります。
| 容量 | 写真(RAW+JPEG) | 4K動画のおおよその目安 |
|---|---|---|
| 64GB | 1,000枚前後 | 1時間前後 |
| 128GB | 2,000枚前後 | 2〜3時間 |
| 256GB | 4,000枚前後 | 5時間前後 |
| 512GB | 8,000枚前後 | 10時間前後 |
動画を撮る予定があるなら、128GBを下限に考えておくと安心です。値段も以前ほど高くありません。
容量より先に規格を確認する
容量には規格の区切りがあります。SD Associationの定義では、32GBを超えるカードはSDXCという規格になり、ファイルの形式もexFATに変わります。
| 規格 | 容量 | ファイル形式 |
|---|---|---|
| SD | 2GBまで | FAT12・FAT16 |
| SDHC | 2GB超〜32GB | FAT32 |
| SDXC | 32GB超〜2TB | exFAT |
| SDUC | 2TB超〜128TB | exFAT |
ここで気をつけたいのが、手持ちの機材の年式です。SDXCを読めない古いカメラやパソコンも残っています。最近の機材なら心配はいりませんが、10年前のものを使うなら確認しておいてください。
速度表記の読み方


カードの表面には、意味の違う数字がいくつも並んでいます。ここが分かりにくさの正体です。見るべきものは2種類しかありません。
UHS-IとUHS-IIの違い
UHSは、カードとカメラをつなぐ通り道の規格です。カードの裏側の端子が1列ならUHS-I、2列あればUHS-IIになります。
| 規格 | 端子の列 | バス速度の上限 |
|---|---|---|
| UHS-I | 1列 | 104MB/s |
| UHS-II | 2列 | 312MB/s(半二重) |
| UHS-III | 2列 | 624MB/s |
| SD Express | 2列 | 985MB/s〜3,940MB/s |
ここに書いたのは通り道の上限であって、カード自体の実力ではありません。その点は、SD Associationも「最大速度はバスの速度とは異なる」と明記しています。
V30・V60・V90の意味
Vで始まる表記はビデオスピードクラスと呼ばれ、数字がそのまま最低の書き込み速度を表します。V30なら毎秒30MBを下回らない、という意味です。
- V6・V10|ハイスピードモード以上で使える
- V30|UHS-I以上で使える。4K動画の目安
- V60・V90|UHS-II以上でないと使えない
ここが大事な点になります。UHS-IのカードにV60やV90は存在しません。UHS-Iで選べる最上位はV30になります。
パッケージの最大速度の見方
箱に大きく書かれた「200MB/s」のような数字は、多くが読み込みの最大値です。撮影で効いてくるのは書き込みのほうなので、小さく書かれた書き込み速度を探してください。
読み込みが速いカードは、パソコンへ写真を移すときの待ち時間が短くなります。どちらも意味のある数字ですが、撮影中に困るかどうかを決めるのは書き込み速度のほうです。
カメラ別の選び分け


ここまでを踏まえて、機種ごとの答えを書きます。私が実際に使ってきた3台を例にします。
α6000やα6400などUHS-I機
この世代はUHS-Iまでの対応です。選ぶのはUHS-IのV30対応カードで確定します。それ以上のものを買っても、性能を出しきれません。
α6000を使っていたころ、書き込みが追いつかずに撮影が止まったことがありました。そのときの話と、交換して何が変わったかは別の記事に書いています。




α7C IIなどUHS-II対応機
α7C IIはUHS-IIに対応しています。ここで初めて、V60やV90という選択肢が現実のものになるでしょう。
ただしUHS-IIのカードは値段が上がります。写真しか撮らないのであれば、UHS-IIにしても体感はそれほど変わらないでしょう。


これからカメラを買う人の考え方
機種がまだ決まっていないなら、カードは後回しで構いません。カメラが決まってから、その仕様に合わせて買うのが無駄のない順番です。
どうしても先に1枚欲しいなら、UHS-IのV30を選んでおくと安全になります。UHS-IのカードはUHS-II対応機でも問題なく使えるからです。
実際に使っている2枚


ここからは手元にあるものだけを書きます。使っていない製品は載せません。私が現在使っているのは、性格の違う2枚です。
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SanDisk Extreme PRO|UHS-IのV30
α6400をメインで使っていたころから、ずっと挿しっぱなしにしているカードです。読み込みが最大200MB/s、書き込みが最大140MB/sと、UHS-Iの中では上限に近い速度になります。
4K動画でも連写でも、詰まったことは一度もありません。α6400がサブ機になったいまも、同じカードが入ったままです。
容量を増やしたいときは、同じシリーズの256GBを選んでいます。中身が同じなら、運用を変えずに済むからでしょう。
ProGrade Digital V60 GOLD|UHS-II
α7C IIに使っているのがこちらです。決め手は速度よりも、製品ごとの管理がしっかりしている点にありました。
撮ったデータを預ける先なので、安さより安心を優先しています。壊れたときに困るのは、カード代ではなく撮った写真のほうです。
カードリーダーも合わせて考える
見落としやすいのがここです。速いカードを買っても、パソコンへ移す経路が遅ければ、そこが上限になります。
UHS-IIのカードを買うなら、リーダーもUHS-II対応のものを選んでください。私はProGrade Digitalのダブルスロットのものを使っています。


買うときの注意点


カード選びで損をするのは、規格を間違えたときより、買い方を誤ったときです。気をつける点を3つ挙げます。
安すぎるカードは避ける
容量あたりの値段が極端に安いものには、理由があります。速度が表示どおり出ないこともあれば、書き込みの途中でエラーになることもあるでしょう。
撮り直しがきかない場面で失敗すると、数千円の差では取り返せません。SanDisk、ProGrade、Lexarといった名前の通ったメーカーから選ぶのが結局は安上がりです。
偽物をつかまない買い方
SDカードは偽物が出回りやすい商品です。容量を偽装したものが、正規品の見た目で売られていることもあります。
- 販売元がメーカーか正規代理店になっているかを見る
- 同じ製品の相場から大きく外れた値段には近づかない
- 「並行輸入品」は保証の扱いが変わる点を確認する
セールの時期を知っておく
SDカードは年に何度か大きく値下がりします。私がProGradeを買ったのもセール中でした。
ただしカメラを買った直後は、カードがないと撮影そのものができません。1枚目は必要になった時点で買い、2枚目をセールでそろえる。この順番が現実的だと考えています。
よくある質問


SDカード選びでよく出る疑問をまとめました。私自身が迷った点が中心になります。
容量は大きいほどよいのですか
大きいほど撮影中の交換は減りますが、1枚に集中させる危険もあります。動画を撮るなら128GB以上、写真だけなら64GBを2枚という分け方も現実的でしょう。
UHS-IIのカードをUHS-I機に挿しても大丈夫ですか
挿せますし、壊れることもありません。ただし速度はUHS-I相当に落ちるため、価格差の分が無駄になります。将来UHS-II対応機に買い替える予定があるなら、先に買っておく意味はあります。
V60のカードはα6400で使えますか
使えますが、V60の性能は出ません。V60とV90はUHS-II以上でないと成立しない規格だからです。α6400で選ぶならV30が上限になります。
フォーマットはカメラとパソコンのどちらでしますか
カメラ側で行ってください。パソコンでフォーマットすると、そのカメラに最適な形にならないことがあります。新しいカードを挿したときは、最初にカメラでフォーマットする習慣をつけると安心です。
SDカードの寿命はどれくらいですか
使い方によるため、年数では言い切れません。書き込みエラーが出る、撮影中に認識が外れる、転送が急に遅くなるといった変化が出たら、交換の合図だと考えています。
カードは何枚あれば足りますか
最低2枚をおすすめします。1枚が使えなくなっても、撮影を止めずに済むからです。記録用のスロットが1つしかないカメラでは、この備えがとくに効いてきます。


まとめ


SDカード選びは、自分のカメラが対応する規格を調べるところから始まります。そこが決まれば、残るのは容量の判断だけです。
- カメラが対応する規格を超えるカードを買っても速くならない
- UHS-Iなら上限はV30。V60とV90はUHS-II以上の規格
- 写真中心なら64GB、動画を撮るなら128GB以上が目安
- 箱の大きな数字は読み込み速度。撮影で効くのは書き込み速度
- 1枚に集中させず、2枚に分けておくと止まらずに済む
私はα6000で一度つまずいてから、カード選びを意識するようになりました。値段の差には理由があると分かってからは、売り場で迷わなくなっています。
結局、高いのを買えばいいって話じゃなかったんだね。



そうなんです。自分のカメラに合っているかどうか、それだけなんですよ。
機種ごとの具体的なおすすめは、それぞれの記事にまとめてあります。使っているカメラに近いものを読んでみてください。





