2019年3月3日、東京マラソンを走りました。雨の中を5時間半かけて、なんとかゴールにたどり着いています。初めてのフルマラソンでした。
その3年前、私は2Kmしか走れませんでした。小学2年生の娘に置いていかれ、途中で足が止まっています。運動から離れて長い、ただの中年でした。
この記事は、当時ブログに残していた練習の記録をまとめ直したものです。2週間前の大会では関門に引っかかって強制終了になりました。それでも本番は目標より30分早く走れています。これから初めてフルマラソンに挑む方に、何かの参考になれば幸いです。
運動経験がなくても、フルマラソンって完走できるものなの。



私は40代で始めて完走できました。ただ、思っていたより時間はかかりました。
- 2Kmから始めた3年半の記録
- 当選から本番までの5か月
- 本番2週間前の失敗
- 雨のレースで必要だったもの
- 初マラソンで6時間を切る目安
2Kmで娘に負けた日


すべての始まりは2015年の11月でした。下期の目標にハーフマラソン参加を掲げ、久しぶりに走ってみたのがこの日です。結果から書くと、予定の3Kmに届かず2Kmで終わりました。自分の現在地を思い知らされた日になります。
3Km親子マラソンという目標
走り始めた理由は、翌年2月にある3Kmの親子マラソンでした。当時小学2年生だった娘と一緒に出るつもりで、お互いのタイムを確かめようとしたのです。
父親として恥ずかしくない走りをしたい。その程度の軽い気持ちでした。
小学2年生に置いていかれる
走り始めは並んでいました。ところが距離が伸びるにつれて差が開き、最後はまったくついていけません。小学2年生の背中を見ながら、自分の体力のなさを突きつけられました。
1Km6分という現実
この日のペースは1Kmあたり6分でした。久々にしてはよく走ったと自分では思ったものの、3Kmすら走り切れていません。
娘と相談して決めた目標は3Kmを15分でした。当時の私には難しい数字です。ここが出発点になりました。
減量と最初の目標


そこから2年ほどは、走ったり止まったりを繰り返しています。距離は少しずつ伸びましたが、順調とは言えませんでした。怪我で2か月走れなくなった時期もあります。この期間に何をしていたのかを書いておきます。
足首を痛めて空いた2か月
2017年の4月に10Kmのレースを走りました。その翌月に足首をひねり、そこから2か月は走れていません。
運動が止まっても食べる量は変わりません。当然のように体重が戻りました。
20kg減量という宣言
2017年の9月、このままではまずいと思ってプロテインを買いました。約20年ぶりです。そのとき立てた目標が、2018年3月末までに20kgの減量とハーフマラソン完走でした。
今から振り返ると、かなり大きな数字を掲げたものだと思います。
10Kmで1時間を切った日
11月19日、練習で10Kmを1時間以内で走れました。それまで10Kmを走ったのは練習とレースで合わせて2回だけ、レースでは1時間5分かかっています。
この日は1Km6分のペースを守り、6Kmすぎから落ちてきたタイムをなんとか踏ん張って戻しました。9月からの体重の減りは5kgです。夜はビールと焼き鳥で祝いました。
走りすぎて背中を痛める
調子に乗って2日に1度10Kmを走る生活を2週間続けたところ、突然背中に痛みが出ました。しばらく走れません。
40代から走り始めた体に、急に距離を積むのは無理があったということです。ここは素直に反省しました。
当選という想定外


2018年10月2日、東京マラソン2019の当選通知が届きます。応募したものの、当たるとは思っていませんでした。倍率は12.1倍です。ここから本番までの5か月が、この記事の本題になります。
倍率12.1倍の一般エントリー
申し込んだのは一般エントリーという区分でした。どうすれば当たるのかと聞かれても、私には分かりません。完全なビギナーズラックだと思っています。
ハーフも走ったことがない状態
当選した時点での私は、ハーフマラソンすら完走していませんでした。最長は10Kmです。
当たってから練習を始めればなんとかなる。その程度の軽い気持ちで応募していました。実際に当たってみると、さすがに焦ります。
残り5か月という期限
開催日は2019年3月3日でした。残された時間は約5か月です。
目標は6時間以内の完走に置きました。1Kmあたり8分から9分のペースで走り続ければ届く計算になります。


5か月でやった練習


ここからは実際に積んだ練習の記録です。特別なメニューは組んでいません。走る距離を毎月少しずつ伸ばしただけです。月ごとの実績を残しておくので、これから始める方は自分の計画と比べてみてください。
10月は70キロ
当選直後の10月は、1か月100キロを目標にしました。3日に1度は走るよう心がけています。ただ下旬に1週間の海外旅行が入り、実際は70キロほどで終わりました。
記録にはTATTAというアプリを使っています。同じ大会に出る人の走行距離が見えるので、励みになりました。


11月は5キロのレースを2本
11月は5キロのレースに2回出ました。目標は5キロを30分、どちらも29分で走れています。10月に積んだ70キロの成果でしょう。
12月に21キロを走破
12月は年末で忙しく、約50キロにとどまりました。外を走れたのは週末だけです。
それでも一度に走る距離を伸ばし続けた結果、ハーフマラソンと同じ21キロを走り切れました。ここは大きな自信になっています。
筋トレを足した1月
年が明けてから筋トレを始めました。プッシュアップバーと腹筋ローラーを買っただけの簡単なものです。学生の頃は運動が好きだったので、感覚は残っていました。
1月の30キロでバテる
1月26日、練習として30キロの大会に出ました。人生で初めての距離です。結果は制限時間ギリギリでの完走でした。
原因ははっきりしています。前半でスピードを上げすぎ、後半に足が残っていませんでした。ペース配分という課題が見えた大会です。
| 時期 | 距離 | 内容 |
|---|---|---|
| 10月 | 約70キロ | 1か月100キロを目標 |
| 11月 | 5キロのレース2本 | どちらも29分 |
| 12月 | 約50キロ | 21キロを走破 |
| 1月 | 30キロの大会 | 制限時間ギリギリ |
| 2月 | 約70キロ | 10月からの累計は約200キロ |
2週間前の強制終了


本番の2週間前、最終調整として浜松シティマラソンに出ました。街中を走る点が、東京マラソンと似ています。ところがこの大会で、想定していなかった形でレースが終わりました。初マラソンを控えた人ほど知っておいてほしい話です。
前半を抑える作戦
1月の30キロで前半に飛ばして失敗したばかりでした。その反省から、前半を1Kmあたり7分、後半を6分で走る計画を立てています。
スタート直後は周りにつられて速くなりましたが、意識して抑えました。10キロまでは計画どおりです。
13.6キロの関門
ところが14キロにさしかかろうかというところで、予想しなかったことが起きました。13.6キロ地点に時間制限があり、その直前で引っかかってしまったのです。
余力は十分に残っていました。フルマラソンを想定してわざと抑えていたからです。それでもレースはそこで終わり、バスでゴールまで運ばれました。
時計のずれという落とし穴
自分では時間を確認しながら走っていました。原因は、時計の時刻がわずかにずれていたことです。数十秒の差が結果を分けました。
本番2週間前にこの終わり方は、正直きつかったです。ただ慌てても仕方がないので、残りの2週間は疲れを抜くことに使いました。
雨の東京マラソン


2019年3月3日、ついに本番です。天気は朝から雨で、気温も低い一日でした。雨のレースは経験がありません。参加者は38,000人という規模も初めてでした。当日の流れを順に書いていきます。
スタートまでの30分
初挑戦なので、スタート位置は当然いちばん後ろです。号砲が鳴ってから実際にスタートラインを越えるまで、30分かかりました。
その間ずっと雨の中で待つことになり、体は冷え切っています。走り始めはゆっくり入るしかありませんでした。
途中のトイレ休憩
10キロほど走ると体が温まり、ペースを保てるようになります。ところが水分を取りすぎたのか、半分を過ぎたあたりでトイレに行きたくなりました。
コース上にトイレはあるものの、どこも行列です。並んでいる間にまた体が冷えました。ここは完全に想定外でした。
30キロを越えてから
トイレのあと再び10キロほど走って体を温め直し、30キロ地点を通過します。1か月前の30キロではこれ以上は無理だと感じていた地点です。
ところが当日は沿道の応援があり、30キロを過ぎてもペースが落ちませんでした。人の声で足が動くというのは本当でした。
5時間半という結果
結果は5時間半でのゴールです。目標に置いていた6時間より30分早く走れました。完走した人がもらえるメダルを受け取り、2日ほどは疲れが抜けませんでした。
走って分かったこと


完走してから気づいたことがいくつかあります。事前に調べていれば準備できたことばかりです。初マラソンの人が同じところでつまずかないように、4つ書いておきます。
走る距離は42.195キロではない
私の時計の記録は43.77キロでした。38,000人が走る大会では、まっすぐ進めることのほうが少ないからです。
人をよけ、給水に寄り、蛇行しながら進みます。1キロから2キロは多く走ると考えておくほうが安全でしょう。
雨対策で結果が変わる
当日はポンチョを着て、そのままゴールまで走りました。濡れずに済んだことが完走できた理由のひとつです。
雨の日は体温が奪われます。寒さで動けなくなるほうが、濡れて重くなるより怖いと感じました。
減量は10キロで止まった
2017年に20kgの減量を宣言しましたが、実際に落ちたのは10キロほどです。目標の半分で止まりました。
それでも10キロ軽い体で42キロを走るのと、そうでないのとでは違ったはずです。数字に届かなくても、やった分は返ってきました。
応援は本当に効く
走る前は、沿道の応援を過大評価していると思っていました。実際は違います。30キロを越えて足が重くなってからのほうが、声の効き目は大きかったです。
よくある質問


これから初めてのフルマラソンに向かう方から、よく聞かれそうなことをまとめます。速く走るための話ではなく、完走するための話です。私の経験の範囲で答えます。
運動経験がなくても完走できるか
できると思います。私は40代で2Kmから始めて、3年半後にフルマラソンを完走しました。ただし当選から本番までの5か月だけでは足りなかったはずです。土台をつくる期間が要ります。
練習はどれくらい必要か
私の場合は当選後の5か月で約200キロでした。月に40キロから70キロというペースです。多いほうではありませんが、一度に走る距離を伸ばすことは意識しました。
6時間で完走するペースは
1Kmあたり8分から9分で走り続ければ届く計算になります。ただし給水やトイレで止まる時間も含まれるので、実際にはもう少し余裕を見ておくほうが安心でしょう。
雨の日に必要なもの
ポンチョです。使い捨てで構いません。体温を保てるかどうかが完走を左右します。ゴールまで着たまま走っても問題ありませんでした。
関門に引っかからないために
関門の場所と制限時間を、事前に紙で確認しておくことを勧めます。私は時計のずれで数十秒足りず、ハーフの大会で強制終了になりました。走りながら計算するのは危険です。
時計は必要か
あったほうがいいです。私はApple Watchで記録を取っていました。ペースが見えるかどうかで、前半に飛ばしすぎる失敗を避けられます。


まとめ


2Kmで娘に置いていかれた中年が、3年半後に東京マラソンを完走しました。特別な才能も、特別な練習もありません。走る距離を少しずつ伸ばしただけです。
- 始まりは2Kmで足が止まった日
- 当選から本番まで約5か月
- 5か月の練習量は約200キロ
- 2週間前の大会は関門で終了
- 本番は5時間半で完走
途中で怪我もしましたし、減量の目標にも届きませんでした。仕上げの大会では関門に引っかかっています。それでも本番は走り切れました。完璧に準備できた人だけがゴールできるわけではないというのが、この経験から言えることです。
いまはコロナをきっかけに走るのをやめ、毎朝30分から60分歩く生活を続けています。ただ、もう一度フルマラソンに挑むつもりです。次は50代での挑戦になります。


これから走り始める方は、まず1Kmからで構いません。私も2Kmで足が止まったところから始めました。
体を長く使い続けるという点では、以前読んだ本の考え方も参考になりました。あわせてどうぞ。


