氷河期世代として大学を卒業し、サラリーマンとして働きながら、社会人になってすぐ始めた投資を25年以上続けてきました。特別な才能があったわけでも、事業で大きく当てたわけでもありません。
結局は何か特別なことをしたんじゃないの。



むしろ逆です。特別なことをしようとした時期に、いちばん大きな損を出しました。
結論から書くと、効いたのは特別な手法ではありませんでした。早く始めたこと、続けたこと、途中で退場しなかったこと。この3つに尽きます。
この記事では、25年のあいだにやったことと、途中で犯した失敗を正直に書きます。うまくいった話だけでは参考にならないと思うからです。
- 社会人1年目から続けた投資
- 2016年に始めた不動産投資
- レバレッジで失敗した経験
- 資産形成を支えた地味な習慣
- 25年続けて分かったこと
資産形成でやったことの順番


最初に、やってきたことの全体像を書いておきます。
特別な手法は使っていない
使ったのは、収入と支出を管理し、余った分を長く運用し続けるという方法だけです。才能や運を前提にしたやり方ではありません。
だからこそ、人にも説明できます。再現できる手順でなければ、続ける意味がないと考えてきました。考え方の全体像はお金の大学の書評記事にもまとめています。
効いたのは早さと継続
振り返って効いたと感じるのは、始めた時期の早さでした。金額の大小より、何年回し続けたかのほうが結果を左右します。
途中で何度か相場が大きく下げました。そのたびにやめていたら、いまの形にはなっていないでしょう。
25年かかった道のり
社会人になってすぐ投資を始め、いまの形になったのは50代に入ってからでした。25年以上かかった計算になります。
短期間で駆け上がった話ではありません。時間そのものが最大の武器だったというのが、振り返っての実感です。
社会人1年目から始めた投資


資産形成の柱になったのは、社会人になってすぐ始めた投資でした。金額は多くありません。給料から少しずつ回していただけです。
給料の一部を投資に回す
新入社員の給料は多くありません。それでも一部を投資に回す習慣だけは、最初からつくっておきました。
この習慣があると、収入が増えたときに自然と投資額も増えていきます。先に仕組みをつくったことが、いちばん大きかったと考えています。
個別株で学んだこと
最初に手を出したのは個別株でした。企業を調べ、決算を読み、値動きを追う。手間はかかりますが、経済の仕組みを実感として理解できます。
もちろん外した銘柄もありました。ただ自分のお金が動くと、学ぶ速度がまるで違います。この時期に得た知識は、いまも判断の土台になっています。
投資信託という土台
個別株と並行して、投資信託の積み立ても続けてきました。こちらは調べる手間がかからず、放っておいても積み上がります。
- 毎月一定額を自動で積み立て
- 値動きを見ずに放置
- 暴落時もやめない
結果として、土台をつくったのはこちらでした。派手さはないが確実に積み上がるという性質が、長期では効いてきます。少額から始める方法は1日100円から始める資産形成にまとめました。
2016年に始めた不動産投資


第2の柱になったのが不動産です。始めたのは2016年で、それまでは検討したこともありませんでした。
きっかけは金持ち父さん貧乏父さん
読んだのはロバート・キヨサキの『金持ち父さん貧乏父さん』です。有名すぎる本ですが、私が読んだのは2016年になってからでした。
刺さったのは、資産と負債の定義です。お金を生むものが資産、お金を奪うものが負債という整理は、それまでの自分の感覚を根本から変えました。
家賃収入という第2の柱
株式は値上がりと配当が中心です。それに対して賃貸物件は、毎月決まって家賃が入ってきます。
金額そのものより、性質の違いが大きいと感じました。給料以外に毎月お金が入る経験は、精神的な支えになります。
始める前に知っておきたい前提
ただし不動産は、株式より手間もリスクも大きい投資です。空室、修繕、金利、入居者対応と、考えることが増えます。
誰にでもすすめられる方法ではありません。まず投資信託で土台をつくってから検討する順序が現実的でしょう。私自身も、株式で20年近く経験を積んだあとに手を出しました。


レバレッジでの最大の失敗


ここまで順調に読めたかもしれませんが、失敗もしています。いちばん大きな損を出したのは、FXでレバレッジをかけたときでした。
短期間で増やそうとした時期
コツコツ積み立てるやり方は、確実ですが時間がかかります。もっと早く増やせないかと考えた時期がありました。
そこで手を出したのがFXです。少ない資金で大きな取引ができるという仕組みに、当時の私は魅力を感じてしまいました。
レバレッジが奪ったもの
レバレッジをかけると、利益も損失も何倍にもなります。頭では分かっていたつもりでした。
実際に相場が逆に動いたとき、失ったのはお金だけではありません。値動きが気になって仕事が手につかず、時間と集中力まで持っていかれました。
二度と手を出さない基準
この経験から、自分なりの線引きができました。判断基準は単純です。
- 仕組みを説明できないものはやらない
- 日常生活に影響する取引はしない
- 短期で増やそうとしない
資産形成でいちばん怖いのは、損そのものより相場から退場してしまうことでしょう。続けられなくなった時点で、時間という武器を失います。
資産形成を支えた地味な習慣


投資の話ばかり書いてきましたが、土台を支えたのは地味な習慣でした。増やす前に、漏らさないことのほうが先だったと感じています。
家計の見える化
収入と支出を把握していなければ、いくら投資に回せるかも決まりません。私はマネーフォワードの有料版で、口座とカードを連携させています。
手入力の家計簿は続きませんでした。自動で記録される仕組みにしたことで、ようやく続いています。
固定費の見直し
支出を削るなら固定費からです。一度見直せば効果が毎月続くため、労力あたりの効果がいちばん大きくなります。
私の場合はスマホのプランを変えて月々およそ5,000円が浮きました。浮いた分を投資に回せば、収入を増やさずに原資がつくれます。具体的な進め方は資産形成の始め方にまとめました。
学び続けること
途中でFP2級を取得しました。税金、保険、年金、不動産と、資産形成に必要な分野を体系的に学べます。
断片的な知識では判断を誤りかねません。全体像を持っていると、怪しい話を見分けられるようになります。学び方については氷河期世代とFP3級の記事で書きました。
25年続けて分かったこと


続けてみて、思っていたのとは違う部分がありました。正直なところを書いておきます。
不安は形を変えて残る
お金のことを整えれば安心できると思っていました。実際には、心配の対象が変わっただけでした。
教育費、親の介護、自分の健康と、考えることは次々に出てきます。増やせば解決する、という単純な話ではありませんでした。


増えたのは選択肢
では何が変わったのか。はっきり変わったのは、選べる幅でした。
会社に残るか辞めるかを、自分で判断できます。この選択権こそが、資産形成で手に入る本当の果実だと考えています。その考え方は会社依存からの卒業の記事に書きました。
次に目指すもの
ここで終わりにするつもりはありません。次の目標は、働き方を自分で選べる状態をつくることです。
そのために資格の勉強も続けています。お金は目的ではなく、選択肢を買うための手段だという感覚が、いまはいちばんしっくりきます。
資産形成のよくある質問


最後に、よく聞かれることを並べておきました。どれも私がやってきた範囲の話で、すすめているわけではありません。
50代から始めても間に合いますか
私は25年かけましたが、それが唯一の道ではないでしょう。運用できる年数は短くなるぶん、固定費の見直しのようにすぐ効くところから手をつける順番になります。
いくらから始めればいいですか
私が新入社員のころに回していたのは、給料のごく一部でした。額より、仕組みを先につくるほうが効いたと感じています。無理のない額でないと続きません。
個別株と投資信託はどちらが先ですか
私の順番は、土台が投資信託で、個別株は勉強を兼ねてという形でした。個別株は手間がかかるぶん学べますが、放っておいても積み上がるのは投資信託のほうです。
不動産投資はやったほうがいいですか
誰にでもすすめられる方法ではありません。空室も修繕も自分に返ってきます。私は株式で20年近く経験を積んでから手を出しました。
FXやレバレッジは絶対にだめですか
だめだと言い切る立場にはありません。ただ私の場合は、仕組みを説明できないまま手を出して最大の損を出しました。いまは自分の基準から外しています。
家計簿は続かないのですが
手入力は私も続きませんでした。口座とカードを連携させて自動で記録される形にしてから、ようやく続いています。続かないのは意志の問題ではなく、やり方の問題だったのでしょう。
まとめ


振り返ってみると、やったことは驚くほど平凡でした。早く始めて、長く続けて、途中で退場しなかった。それだけです。特別な手法を探していた時期のほうが、むしろ遠回りでした。
- 社会人1年目から投資を開始
- 土台をつくったのは投資信託
- 2016年から不動産で第2の柱
- レバレッジは最大の失敗
- 家計の見える化と固定費の見直しが支えた
- 手に入ったのは選択肢
いま資産形成を始めようとしている人に伝えたいのは、焦らなくていいということです。25年かけてここまで来たので、数年で結果が出なくても当たり前だと考えてください。大事なのは、続けられる方法を選ぶことでしょう。
本記事は私自身の経験をまとめたものであり、特定の商品や投資手法をすすめるものではありません。実際の判断はご自身の状況を踏まえて行ってください。
